
看板やショッピングバッグなどのロゴマークには、よく「成城」のローマ字表記が使われている。多くは「SEIJO」だが、少なからず「SEIJYO」という表記を使っているお店や会社もある。ご本家である成城学園は「SEIJO」を使っている。成城石井も成城パンも「SEIJO」だ。小田急線も「SEIJO」だが、これは旧運輸省が定めた「鉄道掲示規定」というものがあり、鉄道はヘボン式でと定められていることによると思われる。一方の「SEIJYO」には、喜多見にある「成城タイヤ」や、成城建設などに見られる。成城大学の中でも映画研究部のように「SEIJYO」と表記しているものもある。個人的にいえば、ヘボン式の「SEIJO」がすっきりしていて好みだ。それにしても、「SEIJYO」って書き方はぼくはしたことがない。いったい何式なのかと調べてみてビックリした。ないのである。「じょ」を「JYO」と表記するローマ字はない。実は、日本語のローマ字表記の標準規格は、昭和29年12月9日に出された「内閣告示第1号」で定められている。麻生太郎のお爺さん、吉田茂が総理大臣のときだ。これによれば「じょ」は「JO」でも「JYO」でもない。「ZYO」なのだ。いわゆる「訓令式」という。「SEIZYO」・・・うーん、これはちょっといただけませんね? そこで、国際的な慣例によりヘボン式の「JO」でも構わないとある。できるだけこういう表記に統一しましょうという各官庁宛ての訓令だが、一応国としては「SEIJO」が正式ということになる。では「JYO」って何? どうやら、外来語などから「JYO」という表記が使われはじめて、「CYA・CYU・CYO」などと同じように慣例的に使われているうちに広まってしまったらしい。そこでJISがかな変換の規格を決めるときに、「じょ」の変換入力に「JYO」も実装することが望ましいと定義した。そんなこともあっていつの間にか「JYO」という表記も定着してしまったのだろう。

タイに行くと、地名のローマ字表記によく戸惑うことがある。ヒンドゥー語風のローマ字表記と英語風のローマ字表記という、まったく異なるスペルの表記が入り乱れていて、同じ地名に思えない。タイ人はなんということはないらしいが、外国人にはややこしい。これほどの国際化時代だ。地名という固有名詞なんだから、「SEIJO」か「SEIJYO」か、せめて区役所レベルくらいでは統一してもいいのではないかなどと思ってしまう。