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2004年9月18日(土) 横尾忠則さんとゴミ騒動…(成城生活歴48日)

2004年9月18日(土) 横尾忠則さんとゴミ騒動…(成城生活歴48日)_a0037775_2250730.jpg何ていうことだ! 引っ越してきた当初、成城住人のゴミの捨て方について、さすがに素晴らしいと褒めちぎった。ところがだ。誰かがゴミ置き場に放置した「燃えないゴミ」が、道路に散乱している。道の片側に散らばっているというのに、いつまで経っても誰も片付けようとしない! 



そのゴミを見かけたのは、火曜日の早朝、高崎の大学へ出かけるときだった。我が家が置くゴミ置き場では、みんなゴミ容器に入れてゴミを出す。資源ごみと枯葉などのゴミは別だが、要するにカラスに散らかされないよう、自然発生的に生まれたルールらしい。なのに、そのゴミはポリのゴミ袋に入れたまま、しかもかなり大きめだった。

車の中から気がついて、誰か外から来た人が捨てて行ったなと思った。そんな捨て方をする人は、ご近所ではこれまで誰もいなかったし、それぞれゴミ容器があるのに、そんな捨て方をする必要もない。気になったものの、そのまま駅まで送ってもらい、高崎へ行ってしまった。

2004年9月18日(土) 横尾忠則さんとゴミ騒動…(成城生活歴48日)_a0037775_22523142.jpgすっかり忘れたまま金曜日に東京へ戻り、その夜は駅近くでスタッフと飲んでいて、帰宅が深夜になった。ゴミ置き場の前を通った時、あれ、まだ置いたままだとは思ったが、暗闇でのこと、そのまま通り過ぎて家に帰ってしまった。そして、今朝だ・・・。

急いで出かけるというワイフを駅まで送っていくことになって、車を出した。道路に出てビックリ! 土曜日で今日はゴミの収集がない日なのに、ゴミ置き場にゴミが散乱しているのである。夕べはこれほどひどいことにはなっていなかったから、早朝にカラスが袋を破って食い散らかしたに違いない。

我が家の周辺は、都内には珍しくカラスをほとんど見かけない。ゴミをきちんと容器に入れて出す習慣の賜物だと思う。エサがないことを知っていて、カラスもふだんは近寄ってこない。だが、放置されたゴミをいち早く見つけたカラスが、これぞとばかり食い破ったのだろう。

とにかくそのまま駅まで行って再び家に戻ってから、もう一度ゴミ置き場を見に行った。ひどい状態である。車の部品やら、缶やら、ペットボトルやら、紙くずやら、メチャクチャに道路に広がっている。多分ここは6メーター道路だと思うが、その中央部まで届きそうな気配だ。

どうしたものかと思ったが、成城ではこういうときどうすべきなのか、新入りとしては、まずは諸先輩住人の行動を見せていただこうということにした。しばらくゴミ置き場を見守っていたが、何も動きはない。一旦、自宅へ戻ることにした。

2004年9月18日(土) 横尾忠則さんとゴミ騒動…(成城生活歴48日)_a0037775_22531791.jpg戻ってはみたものの、どうも落ち着かない。とにかく、成城の街が、自分の住まいのすぐ前の道路が、見る影もなく汚れているということは、気持ちの悪いものだ。何気なく覗きに出かけると、状況に変わりはない。それどころか、通りがかった車が巻き込むのか、ゴミはますます広がっていく気配だ。

もう我慢できなくなって、台所からポリのゴミ袋、庭からホウキと塵取りを掴むと、ゴミ置き場へと一目散で突進した。とにかく散乱したゴミをひとまとめにする。それをゴミ袋へとまとめていく。それにしても、自動車の部品やペットボトルやらメチャクチャの内容。誰が捨てたんだろう。

通りがかりのご近所の人は、まるで目に入らないかのように、さっさと通り過ぎていく。お向かいの家からご主人らしい人が出てきたが、目線も合わせず立ち去って行った。なんか、ぼく、悪いことしてます?・・・みたいな、妙な気分にさせられる。

今度は前方からサングラスをかけたおじさんが自転車でやってきた。なんかこっちをマジマジと睨んでいる。いや、濃いサングラスなので、目は見えないが、そういうビームが発射されている。いえね、ぼくが捨てたんじゃないですよ。誰かが捨てて、散乱しているってのに、誰も片付けようとしないからさ、ぼくが仕方なく・・・と心の中で叫びながら、ハッとした。横尾さんだぁ! 自転車に乗ったサングラスのおじさんは、ご近所に住む横尾忠則さんだったのだ。

2004年9月18日(土) 横尾忠則さんとゴミ騒動…(成城生活歴48日)_a0037775_2253426.jpg実は、横尾さんには、ずいぶん昔だがある時代、ご一緒に仕事をさせていただいた。成城にあるアトリエにも何度か足を運んだ思い出がある。以来、ずいぶん長い間お会いしていない。さて、ご挨拶したものか? 待てよ、先日も街で偶然お会いした小沢正一さんにご挨拶したら、きっと忘れられていたんだなぁ、なんか当たり障りのないお返事でガックリしたじゃないか、やめといたほうがいい・・・・。

人間ってすごいのは、横尾さんが自転車で脇を通り過ぎる、多分時間にしたらほんのわずかな何秒間かの間に、もう走馬灯のように記憶が駆け巡って、これだけ色々なことを考えている。で、ハッと我に返れば、横尾さんの自転車ははるか前方に進んでいるではないか。

いかん、ワイフは横尾さんの熱狂的なファン、ご挨拶はしそびれたが、写真くらいは撮っておいて自慢しよう。慌ててポケットからケータイを取り出して、カメラモードに切り替える。ゆっくりペダルを漕いでいる横尾さんだが、そんなことをしている間に、後姿がどんどん小さくなっていく。カシャリ! どうにか一枚だけ、シャッターを押した。もちろん、小さくて誰だか分からない写真だけど。

2004年9月18日(土) 横尾忠則さんとゴミ騒動…(成城生活歴48日)_a0037775_22542115.jpgそれにしても、さすが成城だ。先日は自転車に乗っているノーベル賞作家の大江健三郎さんとすれ違った。今日は横尾忠則さん。成城では、芸能人はフェラーリかメルセデスに乗り、文化人は自転車に乗っている。本当の成城には、自転車がもっともよく似合う。

まあ、そんなことをしながら片付けた不法投棄のゴミ。思えば、今日まで5日間。収集車が引取りを拒否したのか、ずっとここにあったわけで、その間、何度か誰かが掃除したのかもしれない。しれないがさ、今日みたいにあんなに散乱していたらさ、気が付いた人が片付けようよ。捨てた奴には腹も立つけど、汚い町内はもっと気分が悪いもの。うん!? 気が付いたぼくが片付けたんだから、それでいいのか? 

by marrungu | 2004-09-18 22:54 | Life  

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